パチンコ詐欺 T要町店物語 第4話

鮫島は緊張しつつも現状況の説明にはいった。

 

「説明いたします。当店舗は5年前より導入しました顔認証システムにより不良客の閉め出しに成功しております。」

 

「不良客とはなんだ」

 

「はい、不良客とは負けた腹いせに台パンを繰り出したりゴミをぶちまけたり、酷いものは店内でショウベンやウンコをたらして帰るものもいるのです。そういった客を不良客とよんでいます。」

 

「なに、ウンコまで・・日本人は比較的キレイ好きで礼儀正しいと聞いているが、それでは我が本国と変わりないではないか。」

 

「作用でございます。我々はホルコンと顔認証システムを駆使して不良客を排除しスマートパチンコ、上品かつエレガント、富裕層の遊びとしてのパチンコを目指し頑張ってきたのです。」

鮫島は自己の想いでもあり業界全体の指針でもあるスローガン"スマートパチンコ"について熱く語った。

 

キムは鮫島の言い分を聞き終えて言った。

 

「それで客と売上がきえたのか?この店に金を落としていたのは行儀の悪い不良客の方ではなかったのか?どうだ?」

 

鮫島の額から冷や汗とも脂汗とも知れぬものがどっとふきだした。

 

つづく